夏休みの自由研究アイデア
「太陽の下、一番熱くなるのは何色？」

大人は「黒は光を吸収しエネルギーとなり温度が上がる」ということを知っています。
小学生はどうでしょう？学年によってその答えはまちまちかもしれませんが、初めに予想してもらうと面白いですね。火は赤いから赤が一番熱くなる！なんて答えてくれたら、親子にとってワクワクの実験スタートとなりますね！
段ボールや木片など、同じ素材に絵の具で色を塗ります。どんな素材でも定着が良い、アクリル絵の具もしくはクレヨンを使うと塗りやすいでしょう。下地の色が残らないように、しっかり塗りましょう。牛乳パックに色紙を貼っても良いですね。
用意する色は、この色が一番熱くなると予想した色と、黒、白、グレー、その他色味をばらして10色程度準備するとよいでしょう。
大きさは、温度が測れるように、10センチ四方から20センチ四方の間で用意しましょう。
  用意した色片が同じ条件になるようにして、日向に置きます。ベランダで行う場合は、柵による日陰に注意しましょう。
日向において約1時間後、温度を測ります。

[計測方法3種類]
・赤外線温度計
・アナログ温度計
・氷が解ける時間を測る

・赤外線温度計
　レーザー光を発射して、離れたところの温度も測ることができる機械です。トリガーを引くと対象の表面温度を測り、数値がディスプレイに表示されます。安いものは1500円くらいです。
・アナログ温度計
透明な棒の中に赤いラインが入っている、理科の授業で使う温度計です。100均でも手に入ります。
この温度計で表面温度を測定する場合、先端の「液だめ」部分をアルミホイルで覆いましょう。これを色片の上において数値を測定します。
なぜアルミホイルで覆うのか気になった場合、ぜひ詳しく調べてみてください。そこからは、熱の伝わり方「放射」「伝導」「対流」について、アルミホイルの性質など、学びのきっかけを得ることができます。「なぜ？」「どうして？」はとても大切な理科の芽です。
・氷が解ける時間を測る
温度を測る方法以外でも温度の違いを調べることができます。色片の上にアルミカップを置き、同じ大きさの氷が解ける時間を測って比べてみましょう。氷が解けた順に、温度が高いものから低いものまでの順位をつけることができますよ。
この実験によって、どの色が1番熱くなるかが分かりましたね。
ここから、なぜその色が熱くなるのかを調べてもよいでしょう。小学生には難しい内容かもしれませんが、分かりやすく書かれた物や動画がありますので、頑張って理解してみることは素晴らしい取り組みになります。
もしくは、この実験結果をもとに、身の回りにあるものの色について考察しても良いですね。百葉箱が白い理由も分かりますし、もしも○○が何色だったら省エネになるのでは？など、もしもシリーズでまとめてみても面白いでしょう。
  日々進化する新技術、同じ色でも塗料によってその表面温度は変わります。
地球温暖化対策のため、省エネ効果の高い住宅が推奨されており、それは住宅に用いられる塗料にも及んでいます。子供たちにもぜひ知ってもらいたい技術です。
同じ色でも、この新技術が使われている塗料と、工作で使う絵の具などの塗料では、同じ素材に塗り、同じ太陽の下で測ったとしても、その温度に大きな違いが出てきます。
「どの色が一番熱いか」の取り組みに、この新技術を体感する実験をプラスして、これからの未来に役立つ研究を知る一歩としてみてはいかがでしょうか？

新技術塗料には次のようなものがあります。
・ガイナ [日進産業]
https://nissin-sangyo.jp/about.html
・ネオコート [エコロテック]
http://neocoat.jp/product/neocoat/feature
・クールサーム [大高商会]
https://www.cooltherm.com/cooltherm/

この中には、スペースシャトルに利用されているものもあります！
塗料を塗ることでできる薄い膜が、こんなに高性能であることにビックリします。
このような新機能塗料、ご家庭で準備することは難しいかもしれませんね。もしもご自身やお隣、親戚の方やお友達で外壁塗装をする方がいらっしゃいましたら、木片などに塗料を塗ってもらい、協力をお願いすることができると思います。私たちi-sumu（アイスム）設計にご連絡いただいた場合もできる限りお力になりたいと思います。お子様の行動力！応援しています。