コーキング(シーリング)が割れるの原因と対処法は？！不良施工を見抜き長寿命住宅へ！

コーキングとは弾性のある樹脂系の目地充填剤のことを言います。

サイディングの外壁のつなぎ目部分（目地）にコーキング（シーリングともいいます）を注入することにより、防水性と耐候性の高い外壁にすることができます。
弾力性のあるコーキングを使用することで、外壁材の細かな動きを吸収し、破損を防ぐことで外壁全体の長寿命化を実現しているともいえます。

つまりコーキングは外壁の耐久性を実現するために不可欠な役割を果たしているのです。 コーキングは、外壁同様、風雨や熱さ寒さ、紫外線などにより経年劣化していきます。

コーキングは柔らかい樹脂素材でできているので、紫外線に弱く、工事の質の良し悪しが顕著に表れる部分でもあります。

コーキングの劣化は基本的に素材の硬化によるひび割れや接着不足などです。
そして、そこに至るまでの原因が自然負荷によるものなのか、施工不良なのかの原因究明が重要となってきます。

ここではコーキングの劣化状況と原因・対策をみていきたいと思います。
 
1.コーキング（シーリング）の剥離
コーキングとサイディングボードの間に隙間ができ、コーキングがはがれてしまう状態を剥離といいます。
このとき隙間から雨水が入りこみ、水に弱いサイディングボードが腐食したりや割れたり、反りなどを引き起こします。
原因としては、経年劣化の他、施工時のプライマー(※)の塗り忘れ、過接着とも言える３面接着、地震などの振動でコーキング接着部分がはがれたということが挙げられます。

※プライマー：主に接着を目的とした下塗り塗料。接着剤のような役割。

そして、一度剥がれたコーキングは再接着できないため、丁寧にはがします。
その後プライマー塗料を塗布し密着性を高める、底部分にボンドブレーカー(※)やバックアップ材を使用するなどがあります。

※ボンドブレーカー：絶縁テープともいい、目地の底に張り付けるテープ状の材料

２.ひび割れ
　コーキングの真ん中にひび割れが入る状況は、コーキング部分の劣化や寿命を表していて、補修時期が近いことを示しています。

原因は劣化・寿命なので、対策としては早期の補修を行い、定期的にコーキング材を打ち替えることが望ましいです。
紫外線のよく当たる南側の外壁などは、劣化のスピードが早いので耐久性の高いコーキング材を選んだり、上から塗料を塗って耐久性を上げる方法などがあります。

３.下地部分が見える
コーキングの下地部分が見えてしまう場合は、コーキング材の厚みが足りないということが原因です。
適切な厚みを理解していない未熟な職人が施工した可能性があります。
コーキングの厚み（8ｍｍ以上）を確保し状況によってはカバー材で覆ったりなどの対策があります。

4.コーキング材がとれている
コーキング自体がはがれてとれている場合は、硬化して接着力がなくなった。
適切に接着できていなかった。コーキング材の選定ミスなどが考えられます。

コーキングを打つ前には必ずプライマーで下処理を行ったり、耐久性の高いコーキ
ング材を使用するなどの方法があります。

5.コーキング部分の変色や汚染
コーキング部分の変色はすぐに悪影響を及ぼすわけではあありませんが、白い外観の建物では目立つため見た目上の問題がでてきます。
これは“ブリード現象”といって、コーキングの上から塗料を塗装した場合におきやすい現象です。

原因としてはコーキング材の中に可塑剤（かそざい）という成分が入っていることと、その上から塗った塗料がコーキング材の可塑剤に影響を与えるためです。

そうなると表面上にべた付き感がでてきて、それらに空中の汚れがくっつき黒ずんできます。

対策としては可塑剤移行防止剤を先に塗っておくことや、そもそも可塑剤の入っていないコーキング材を使用することで、べた付きを防ぐことができます。

可塑剤のないシーリングには、変成シリコンやウレタン製のオートンイクシードなどが挙げられます。
  コーキング補修には、増し打ちと打ち替えという方法があります。
増し打ちは傷んだコーキングの上から新たにコーキングをする方法、打ち替えは劣化したコーキングを全て撤去してコーキングをやり直す方法です。

コーキングの工事について話しているときは、基本的には打ち替えを行うことがほとんどです。
おそらく、増し打ち程度の簡単な補修なら自分でも問題なく補修できるでしょう。

しかし、本格的に打ち替えを行おうと思っている場合は、注意が必要です。

一言に打ち替えと言っても、古いコーキング材をはがして新しいコーキング材を注入するだけではすむ作業内容ではありません。

周辺部分の養生やプライマリー材を塗ったり、乾くのを待ったりと作業手順は複雑で高度な専門技術が必要となり、なにより高所での作業は危険が伴います。

それを家の４面やるとしたら自分で足場も組まなくてはなりません。
ここはやはり専門の業者に頼んだ方が無難でしょう。

外壁の塗装などとあわせてコーキングの打ち替えを同時に行う方が、足場費用や人件費が節約できるので効率的です。
  コーキングの劣化は、訪問販売業者に指摘され気づいたり、ふと外壁を見たときに気づくなどで建物の劣化としては比較的わかりやすい部分です。

補修作業は複雑で判断が難しいため、一部の業者は打ち替えをせずに増し打ちで施工したり、増し打ちでコストを抑えて見積りを操作し安く見せる業者がいるので注意が必要です。

コーキング補修は外壁の早期劣化を防ぎ、家の寿命を延ばすことにつながります。

私たちは有資格者による劣化調査を行い、必要な工事内容を丁寧にご説明することを心掛けております。お気軽にご相談ください。

Byウッチー